大学時代の友人F君とN君の見舞いに行った。
久々のホームタウンである。
N君は二度の脳梗塞にも関わらず元気だった。
少し左半身が不自由だがリハビリのおかげで杖を忘れるくらいになっていた。
F君も同じく脳梗塞を発症していたのでお互いの薬の比較などをやっていた。
大学時代にこんな時が来るなんて微塵も予想できなかった。
だんだん気づかされるんだ。
人は生かされているということを。
N君は酒が飲めなくなり、我々のテーブルからは灰皿が消えた。
だんだん制約が入ってきた。生きるのに。
ふと気になって卒業後散らばった友人達に電話してみた。
皆相変わらずでひと安心。携帯を回しながら近況を確かめ合った。
だんだんやれない事が増えてきたな、必ず会おう。
今やれることをやらなくて、いつやるんだ?
そんな『だんだん』を共有した友と再会を約束して別れた。